弊社のメールマガジン CAP総研通信のコラムを集めました。
創業者の髭が言いたい放題で語った軌跡です。
【INDEX】
第701号 『髭のひとり言』 〜ビジネス・エニアグラムについて〜
〃 『CAPのここが言いたい』 〜CAP総研の研修効果の裏付け〜
第702号 『髭のひとり言』 〜研修効果を持続させるには〜
〃 『CAPのここが言いたい』 〜自分流の濫用に気づこう〜
第703号 『髭のひとり言』 〜コミュニケーション能力が上がるのか〜
〃 『CAPのここが言いたい』 〜弱みの開示は強い影響力となる〜
第704号 『髭のひとり言』 〜タレントマネジメントについて〜
〃 『CAPのここが言いたい』 〜メタ認知を促進するエニアグラムを見直そう〜
第705号 『髭のひとり言』 〜弊社コンセプトの価値について〜
〃 『CAPのここが言いたい』 〜上司と部下で相互成長対話をしよう〜
第706号 『髭のひとり言』 〜効果的なチームを作る心理的安全性について〜
第707号 『髭のひとり言』 〜人は変われる〜
〃 『CAPのここが言いたい』 〜エニアグラム・マネジメントのすすめ〜
第708号 『髭のひとり言』 〜やっぱり心理プロセスが大事〜
〃 『CAPのここが言いたい』 〜CAPの挑戦とは〜
第709号 『髭のひとり言』 〜潜在力を発揮させる部下育成法〜
〃 『CAPのここが言いたい』 〜トップ自らオープンになろう〜
第711号 『髭のひとり言』 〜エニアグラムはピープルマネジメントを効果的にする〜
第713号 『髭のひとり言』 〜エニアグラムは人材育成の万能薬〜
■ 第701号 『髭のひとり言』 〜ビジネス・エニアグラムについて〜
2017.4.14
エニアグラムとビジネス界の橋渡し役になろうと決めて、弊社も16年が経ってしまいました。その橋渡しするためのツールが整ってきましたので、ビジネス・エニアグラムと呼んでもいいと思えるようになっています。メルマガを始めるに当たって、その魅力の一端なりをご紹介できればと存じます。
エニアグラムは、2000年の歴史があり、スタンフォード大学で研究されている学問であり、内面の変化や人としての成長のあり様を解明している世界屈指の人間学です。
エニアグラムをご存じない方は、下記をご覧いただきたいと存じます。
http://www.capsk.jp/55_enneagram.html
また、弊社のブログにも情報がございますので、参考にしてください。
http://capsohken.seesaa.net/
この人類の知恵とも言えるエニアグラムを人材育成や組織活性化に応用するために、種々のメソッドやツールを開発し、マネジメント研修や組織活性化コンサルに取り組んで参りました。
中でも、行動変容理論に基づいた『人間的成長セオリー』や、協働性を高める対話方法『相互成長対話』などは、やればやるほど大きな変化、大きな効果に繋がる実感を得ています。
人間的成長セオリーはここをご覧ください。
http://www.capsk.jp/221_seicho_proc.html
例えば、大人しくて調和的な人が、組織メンバーの為にひと肌ぬいだり、疑問点をハッキリ指摘するようになったりするのを目の当たりにすると、本当に人間の可能性を感じます。本人もびっくりするほどで、自分に自信をもつようになるのは、人間的な成長体験だと思います。
このように、エニアグラムは9つの性格に分類するだけではなく、人が内面的に成長する方向や、その逆にストレスを感じた時の行動パターンを明らかにしているすごい学問だと思います。
ビジネス・エニアグラムを研修に活用する利点は・・・
1)自分の行動傾向の原点が分かるので、自分を成長させる意識の持ち方が納得できる。
2)自分と他人の見方・考え方の根本的な違いが分かるので、対人ストレスが減り、関係を構築し易くなる。
3)内面的な成長をベースにしたマインド・チェンジが起こりますので、永く役に立ちます。
素晴らしい人間学を色んな研修に活用していますので、もっともっと多くの方々に知っていただきたいと思い、公開セミナーを実施することに致しました。
既に弊社の研修を受けられた方には、リマインドする目的で公開セミナーをご利用いただきたいと思います。また社内の未受講の方々にエニアグラムを体験して頂くようご紹介いただければと思います。
公開セミナーの案内はここをご覧ください。
http://www.capsk.jp/332_open_seminar_guide.pdf
ビジネス・エニアグラムのことは、こちらをご覧ください。
http://www.capsk.jp/551_business_enneagram.html
以上です。
■ 第701号 『CAPのここが言いたい』 〜CAP総研の研修効果の裏付け〜
2017.4.14
2014年のASTD(米国人材開発機構、現ATD)では、学習の70%は実際の仕事経験によって起こり、20%が他者との繋がりで、残り10%がOFF-JTで起こると70:20:10のフレームワークが示されました。
それに伴って、1960年に発表されたカーク・パトリックの研修効果測定の4段階説も見直され、新しいモデルが紹介されました。従来の静的な4段階モデルから動的なプロセスモデルに変わって、つぎのように評価指標が追加されています。
研修評価の4段階:【従来の評価指標】+【追加された評価指標】
レベル1(反応):【参加者の満足度】+【エンゲージメント(心からの関与)、参加者にとっての妥当性】
レベル2(学習):【知識・スキル・態度の習得度】+【自信、コミットメント】
レベル3(行動):【参加者の行動変容】+【行動を促進するシステム(観察・調整・勇気付け】
レベル4(成果):【期待成果】+【先行指標】
従来は研修の投資効果を業績で図ろうとするROIの考え方でしたが、それは現実的ではなく、実際には行動変容を促進するシステムや周囲の環境が重要であり、業績に繋がる先行指標で観察していくことが必要との見解だと思います。
弊社の研修は、この新しい評価モデルが発表される10年以上も前から70:20:10の考え方(必ずしも%が正しいとは限らないが)を用いて、実際の仕事経験の中で行動変容する研修プロセスを重視し、人との繋がりや関係づくりに重点を置いた実践的な研修プロセスを用いてきました。確かに現実的な効果が大きく、このモデルを10年以上前から実証してきたことになります。
フォローアップ研修やアクションラーニングなどで効果を高めようとする傾向がありますが、弊社では、個人特性や組織環境にも対応できるよう、PC(Personal-Consulting=個人面談)と上長面談を繰り返すことで更に効果を高めるようにしています。
■ 第702号 『髭のひとり言』 〜研修効果を持続させるには〜
2017.5.6
マネジャーが研修で学習したことを職場で実践するためには、次の3要素が大切だと言われています。
1)目的と方法が明確である(何のために何をするのか)
2)自分にとってメリットがある(認められる、組織が良くなる、自分の成長になる、など)
3)やる気になる環境がある(上層部の理解、上司との関係、組織文化、など)
要するに、マネジャー研修をいくらやっても、この3条件が整っていなければお金の無駄使いになるということです。特に3番目の環境が最も重要ですが、最も難しいことでもあります。
もしも皆様の会社がこの問題をもっているのでしたら、何がマネジャーのやる気を阻害しているのかを明らかにし、それを取り除くことから始めることをお勧めします。
例えば、研修で行動変容の必要性を学習したとしても、上層部が保守的であったり、上意下達のマネジメントスタイルだったら、よほどの勇気がないと行動変容する気にはなれません。
最近のハーバード・ビジネス・レビュー誌(2017年4月号)にも同スクール名誉教授のマイケル・ピア氏による同様の記事が掲載されています。同氏によれば、上層部がマネジャー研修の内容を受け入れ、自らも実践した組織では研修効果が継続するという研究結果があるそうです。
我々の経験からも、組織のトップが理解を示し、自らを改めるように行動した組織では、大きな変化が起きたことを何度も目の当たりにしています。人づくりは企業の未来を左右する一大戦略です。組織のトップは人材育成方針を出すだけではなく、自ら実践してこそ育成風土が育って行きます。
CAP総研は、行動変容や組織活性化をねらいとした研修では、階層別ではなく、部門別、部署別にタテの2〜3階層が一緒に受講するように薦めています。また、個人面談でフォローする研修では、上層部の方々とも面談を行い、研修内容の理解と育成方法を改めていただくことをお願いしています。
例えば、弊社のマネジメント行動変革研修などが典型的な例でしょう。
研修は人作りのやり方を変えるきっかけに過ぎません。日々マネジャーを見て、育てる使命を持っているのは上層部です。上層部がマネジャー育成のやり方を変えなければ、いくらマネジャー研修をやっても元の木阿弥、お金の無駄使いです。
研修会社でもある当社がこのように書けるのは、実際にこの考え方で取り組んでいるからです。
■ 第702号 『CAPのここが言いたい』 〜自分流の濫用に気づこう〜
2017.5.6
知識やスキルの研修は、知っている人やできる人が、知らない人やできない人に教えればよいけれど、マネジメントやリーダーシップを教えるのは簡単ではありません。それは、個性も価値観も異なる人と人の間で行われるものであり、一様には決められない不確実なものであるからです。
そんな不確実な状況にあっても、マネジャーたちは成果を出さねばなりません。このストレス下では、ついつい自分流で部下を動かそうとしてしまいがちです。『マネジャーの問題の多くは強みを濫用することにある』と言われるようになってしまって、部下をうまく動かせないという不確実さにハマってしまいます。
例えば、厳しく部下を指導するという自分流を使いすぎて、部下が指示待ちになってしまったり、上司の顔色をうかがうようになってしまって、不確実なマネジメントになってしまう場合がそうです。
コーチング的に部下の能力を引き出せばよいと思われますが、引き出そうとしても出てこない、かと言って指示すると依存してくる、叱ると避けてしまう部下も多く、アンコーチャブルな部下の育成は不確実で曖昧で、自分流に頼るようになってしまうのです。
VUCAワールドの時代と言われていますが、マネジメントは古くからVUCAの状況にあったのです。大切なのは、不確実な状況にあったときは、自分の中で何が起きているかを見極めること、自分の判断や行動が果たして正しい方向なのかを内省することです。それでも見極められないときは、周りの人たちと一緒に知恵を絞って状況を掴む努力をすれば行動の方向が見えてくると言われています。
個性も価値観も異なる人と人の間で行われるマネジメント、この不確実な状況においても同じように自分を省みることが大切だという訳です。そして、周りの人(部下)たちと共に探求する関係をもつことも重要になるという訳です。自分が強みを濫用していることに気づく視点が必要です。また、無意識にやってしまうものですから、周りから指摘してもらえる関係を作っておくことが大切だということです。
今、『人間関係セミナー』を公開コースで開催していますが、学んでいただくことは自分流に気づくこと、周りから指摘してもらえる関係を築くことです。マネジャーに限らず、人と人の関係で成り立っている組織という不確実な世界を生きる人であれば、必ず知っておくべき知恵と言えるでしょう。
エニアグラムは深く自己認識できますので、自分を内省するには最高のツールとなるでしょう。
■ 第703号 『髭のひとり言』 〜コミュニケーション能力は上がるのか〜
2017.10.3
上述の『人間関係セミナー』のテーマにもなっていますが、エンジニアのコミュニケーション能力不足は、プロジェクトの採算割れに繋がる重大な問題となっています。
顧客の要望を聞きすぎたり、変更点が全体に伝わっていなかったり、問題を抱え込んでしまったり、確認漏れのために大きな問題に発展したりなど、よくある問題です。
コミュニケーション力を高めるために様々な研修が存在しますが、そのほとんどは方法を教えるものです。しかし、人の対人能力は、性格的な要素が大半を占め、方法では解決できないことはご存じの通りです。なぜ、人は言えなくなるのか、なぜ人は聞き逃すのか、なぜ人は対人ストレスを感じてしまうのか。それらの根本を知り、その根本に意識を集めなければ、いつまでも続く慢性的な問題となります。
友達とは普通に会話ができるのに、会議になると黙り込んでしまう人。言いたい事を一方的に話して人の話を聞いていない人。交渉するときノ―が言えずに課題を抱えてしまう人。苦手な人とは関係がつくれない人。その全てには、内面の心理が影響しているのですが、その心理がどのようなものであり、どのように対人関係に影響しているかに気づかなければ対処の仕様がありません。
当社が進めているエニアグラムを活用したコミュニケーションや対人関係力への対策は、この内面の心理を解明し、自分の行動を生んでいる無意識の世界を有意識化してくれます。
心理的な緊張を避けるために自分を出さない人。早く進めたい心理から一方的になってしまう人。それぞれの心理が働いていることを自覚出来れば、自分を勇気づけたり、自分を抑えることができるようになります。また、エニアグラムは互いの本質的な違いを相互に理解することを容易にしますので、対人関係の問題を未然に防止できます。
対人能力は性格的な要素の影響が強いですが、性格は変えられなくても、性格で反応しない行動を選択することは可能です。その根拠が明らかになることで、自分を律する力を手にすることが可能となるのです。エニアグラムの人間洞察の深さを活用することで可能となります。
■ 第703号 『CAPのここが言いたい』 〜弱みの開示は強い影響力となる〜
2017.10.3
部下は上司の欠点を知っているものです。上司のこれだけは直して欲しいと思っているものです。もしも、その上司が自分の欠点に気づき、直そうと努力を始めたら、部下はどんな気持ちになるでしょうか。その欠点が部下のモチベーションを下げていた原因だったとしたら。。。
いつも一方的に意見を押しつける上司、それが無ければもっと気持ちよく仕事ができる部下。そんな上司が、自分の気持ちを理解しようと努力している姿を目の前にした部下は、きっと自分の問題を直そうとし始めるに違いありません。
部下への影響力とは、部下の主体性を高めるように働きかけることです。「もっと主体性を出せ」というだけではなく、主体性を阻害している上司の問題に気づき、それを改める責任を果たすことです。そうすれば、部下も積極的に責任を果たすようになります。
ミーティング方法をいろいろと工夫して、部下の意見が出やすいようにしようとしていた課長がいましたが、自分のアイデアで部下を乗せようとしている自分に気づき、その行為が部下の主体性を阻害していたことを部下に謝ったところ、部下が主体的にミーティング方法を工夫し始めたそうです。ミーティングは、意見を出させるものではなく、ミーティングそのものを良くしようとする気持ちを生むことが重要です。その主体的な姿勢ができれば、自然に意見はでるようになります。
上司と呼ばれる人たちは、力や工夫で部下を動かそうとしますが、その行為が主体性を阻害しているのだと内省する必要がありそうです。下手なマネジメントより、下手であることを開示した方が余程うまいマネジメントだと言えます。
■ 第704号 『髭のひとり言』 〜タレントマネジメントについて〜
2018.3.18
近年、タレントマネジメントの重要性がクローズアップされています。今回は、そのコアな部分について書いてみます。
タレントマネジメントは、如何にして人材を確保するか、如何にして有能な人材を手放さないようにするか、如何にして人材が持てる能力をすべて発揮できるステージを整えるかなどを、全社横断的な視点から取り組むことです。
ところが、実際には思うように行かない現実があります。新卒の採用・配属・OJTをとってみても、早期退職、早期戦力化の問題が見られます。
まず最初に新卒採用ですが、小手先の採用戦略に終わっている感があります。学生は企業全体を見ているのですから、学生から見て良い企業にならねば有能な人材を集められません。つまり、全社的な取り組みとして、社員満足度(ES)を高められなければ、学生に対して訴求力が劣り、採用力も上げられないのです。
次にOJTについては、若手のトレーナーに任せっきりになってしまう現実があります。仕事のスキルを高めることに注力し、人材のモチベーションの変化に配慮していないケースが多く、早期退職やメンタル問題になっています。精神的に不安定な時期に、若手に任せていては逆効果、これも全社的な取り組みとして管理者自ら新卒の気持ちを確認し、不安に応える姿勢が大切です。世代間ギャップを言い訳にして、若手に任せている場合ではありません。
三つ目はキャリアパス(適材適所)の問題です。やりたい仕事に就けるのがキャリアパスではなく、(それではローテーションが破たんしてしまいます)やりたい仕事は自分で勝ち取る努力が必要であることを理解させることが重要です。同時にその努力を支援する育成体制づくりが重要と言えますので、これも全社的な取り組みです。
ところが近年では、そこそこに努力し、そこそこの収入で満足し、プライベートを優先する人が増えている問題があります。管理職になりたくない人が増加していることもその現象の一つでしょう。急激な変化が求められる時代、この現状満足型のワークスタイルは企業力の減退をまねく重大問題です。時代背景と価値観の多様化が主な要因のように思えますが、私はそれだけでは無いように思っています。
このような傾向が出始めた頃に、この問題をゆとり世代のせいだと嘆き、真摯に取り組んで来なかったツケではないかと思うのです。どうすれば良いのか分からなかったのかも知れません。そのせいで、きちんと支援してもらえなかった人たちが今管理職となり、部下をきちんと支援できないでいるのではないでしょうか。きちんと支援してもらった人は、きちんと支援できるようになるということです。今の50代、部長クラスと言える人たちが生んだ問題だと自覚すべきでしょう。
新卒の心のケア、ESへの取り組み、キャリアパスの考え方、現状満足への警鐘、そしてそれらに向き合う真摯な姿勢、これらがタレントマネジメントの根幹ではないでしょうか。人材の能力を管理して活かすのがタレントマネジメントだと思っておられたら、大きなトラップに陥っていると内省してみる必要がありそうです。
■ 第704号 『CAPのここが言いたい』 ”メタ認知を促進するエニアグラムを見直そう”
〜部下にとって上司は働く環境〜
2018.3.18
部下育成とは、部下が主体的に考え、自ら行動できるようになるのを支援することです。ところが、目標を与え、結果を評価するだけの育成が多く見られます。仕事のやり方、考え方を指導し、できないところをフィードバックしていますが、主体性を高めているとは思えない管理者が多いです。これでは、一部の部下しか育成できません。指示待ち型の多い昨今の若手社員には、益々指示待ちを助長してしまいそうです。
部下の主体性を高めるには、主体性を妨げている内面の心理を深く理解し、その心理に対してサポートすることが重要です。同じ仕事を与えても、やり甲斐を感じる人もいれば、そうならない人もいます。何が主体性を阻害しているのかを把握し、精神的な支援が必要です。
また、部下自身が自分の思考傾向に気づき、不足部分を改める意識をもてるように促すべきでしょう。そうすれば、部下がもっている能力を100%引き出すことに繋がります。アクション・ラーニングでメタ認知(自分を深く認識する)が重要と言われていることと同じです。
このように書くと、「そんな余裕はないし、部下の内面を知る方法が分からないので無理だ」という声が管理者たちから聞こえて来そうです。そう嘆くこともありません。このメタ認知をサポートしてくれる強い味方がいるのです。人間の内面を洞察できる人間学である”エニアグラム”を活用することで可能になります。
またそれは、上司と部下の心理を明らかにし、両者の思いを一つにし、感情の変化を理解し合い、互いに刺激し合って成長するための方法を提供してくれます。
仕事への思いが共有でき、気持ちの変化を自覚させてくれ、苦しさを支援してくれる上司がいれば、部下は主体性を発揮して仕事に立ち向かうでしょう。主体性はか弱いものです。上司次第、上司との関係次第ですぐに萎えてしまいます。
上司と部下の両者がエニアグラムによってメタ認知ができれば、互いの不足を認識し合えます。互いに刺激し合える関係が築けます。それは、管理者自身の主体性を高めることにもなります。部下育成にまで手が回らない程、多重責務に追われている管理者のモチベーションは、成果を出すことの他に、部下との関係、部下育成の喜びにあるからです。部下にとって上司は働く環境です。管理者が主体的に関わることが部下の主体性を高めます。エニアグラムの知恵をメタ認知に活用しましょう。
■ 第705号 『髭のひとり言』 〜弊社コンセプトの価値について〜
2018.7.8
最近出版された本に『なぜ弱みを見せ合える組織が強いのか』(ロバート・キーガン他著)があります。その内容が、弊社の基本コンセプトにかなり近いので、我ながら弊社スタンスの価値を再認識しました。
『内省と対話による相互成長関係は業績向上と人材育成を両立させる』
これが当社の研修や組織コンサルの基本コンセプトです。つまり、互いに弱みを見せ合い、刺激し合って共に成長しようとする関係をつくることができれば、業績と育成が同時に進行するという考え方です。
この本では、弊社のコンセプトに近い企業文化を実現している米国企業の3社を紹介しています。トップを含む社員全員が自分の弱みをオープンして改善(成長)に取り組むことを開示します。そして全員が他の人の取り組みを支援する役割を担っていると言います。例えば、内向的で発言が弱いメンバーがいた場合、会議では皆がその人の成長を支援するために、発言の時間を設ける配慮をすると言った具合だ。
ロバート・キーガンらは、このような組織を『発達志向型組織』Becoming a
Deliberately Developmental Organizationと呼び、このような組織には、発達への強い欲求、発達を支援する集団、発達を実現する行動が伴っているとしています。例えば、『人は何才になっても成長する』、『みんなが人材育成に携わる』、『人の内面もマネジメントできる』などの考え方を持ち、それを具体化していると言います。
弊社の研修などでは、エニアグラムを用いて弱みを生む内面の問題に気づき、その要因である囚われ(無意識の動機)を話し合う対話によって互いに刺激し合える関係(相互成長関係)を作ります。上司と部下の間で、互いに支援し合って弱みの克服にチャレンジすることになります。
組織単位で実施する場合は、正にキーガンの言う発達志向型組織を目指すようになります。自分を成長させること、仲間の成長を支援することを実践するのが相互成長関係づくりだからです。
しかし、自分の弱みをオープンすることは、恥や恐れの自己防衛心理が邪魔をして容易ではありません。エニアグラムを活用するからこそ、自分のタイプの囚われ(無意識の動機)とその影響を話すことが自然にできるのです。まだ、会社ぐるみで取り組んだ企業はありませんが、組織単位で実施して頂いた企業様では、大きな体質変革に繋がって行っていると思います。
■ 第705号 『CAPのここが言いたい』 ”上司と部下で相互成長対話をしよう”
〜エニアグラムの囚われについて話すだけです〜
2018.7.8
前項『髭のひとり言』にも書きましたが、弱みを言い合える関係、互いに刺激し合って共に成長しようとする関係が相互成長関係です。それは、関係を深化し、思考と行動の質を変え、組織体質を変える効果をもたらします。容易なことではありませんが、エニアグラムを活用した『相互成長対話』を真摯に行えば可能です。
相互成長対話の基本原則は、
1)心を近づける(心を開いて話し合う)
2)目的を共有する(思いを一つにする)
3)互いに与え合う(刺激し合う)
の3つです。
特に、心を近づける原則が重要です。エニアグラムの囚われ(無意識の動機)とその悪影響、囚われで反応しないためのやり方や意味を話し合います。エニアグラムは人間洞察が深いですので、囚われを話をするだけで、自分の弱みとその悪さを表現することになりますので、自然と心を近づけるようになるのです。
上司と部下の間で相互成長対話を実施すれば、親密な関係が生まれ、上司が悪さを直そうとする姿を見せるようになり、部下も責任をもって自分を改めようとするようになります。組織の風通しが良くなり、問題が早く上がるようになります。互いに支援し合うムードが生まれ、協働性が高まります。是非、実施して欲しいと思います。
■ 第706号 『髭のひとり言』 〜効果的なチームを作る心理的安全性について〜
2019.1.5
グーグル社が、社内180チームを対象に、2012年から取り組んだ調査分析によると、チームの効果性に影響する因子は次の5因子だということです。
〔1〕心理的安全性、〔2〕相互信頼、〔3〕構造と明確さ、〔4〕仕事の意味、〔5〕インパクト、(詳細はグーグルのサイトを参照ください)
その中でも最も重要なのが心理的安全性であり、他の4因子の働きに影響するとのこと。心理的安全性(チームメンバーがリスクを取ることを安全だと感じ、お互いに対して弱い部分もさらけ出すことができる)は、単になんでも言える関係のことではありません。業績へのあくなきチャレンジと、失敗を包含する文化がベースとなっています。
しかしながら、どのようにして心理的安全性の高いチームを作り上げたのかに関しては、明確な手段が示されていません。チームのリーダー/マネジャーに向けてガイドライン的に示す程度です。例えば、行動規範への共通認識を持つ、チームの力学を話し合う、チーム強化にリーダーを巻き込む等々なのです。
現実の組織を目の前にしている読者の皆さんなら気づいているでしょう。能力的にも人格的にも有能なリーダーがいればできるけれど・・・また前向きなメンバーが多ければできるが・・・現実のチームはリーダー自身がリスクテイクしないし、弱みを見せない。リーダーの我流が幅を効かし、上下の風通し、問題の共有など無縁の世界となっているのではないだろうか。また、「任せたいが失敗を許すほど余裕はない、弱みを話せば烙印を押されるし、恥をさらす羽目になる」、というのがリーダーの本音だろう。この自己防衛心理(ストレスが多いほど強くなる)が根源的で潜在的な要因である限り、組織の根深い問題であり、容易に解決できない慢性的な問題なのではないだろうか。
当社の研修は、この自己防衛心理という組織の慢性的な問題を扱う稀有な存在と言えるでしょう。エニアグラムは、人間の潜在的な恐れ(自己防衛心理の根源)を明らかにし、それを開放して自分を開く手段を提供してくれます。前号にも書きましたが、自分のタイプの内面的な動きを説明するだけで、自分の弱みを開示することになるし、チームで開示し合えば容易に心理的安全性が生まれるのです。平たく言えば、自分を裸にしてくれるのです。
『相互成長対話』という1on1対話法や、『Open-Meeting』というミーティング技法で実践方法を具体化しています。
例えば、タイプ3の上司が、「タイプ3は評価を求めすぎるために人の気持ちを無視して指示してしまう」と対話やミーティングで言うならば、自分の弱みを認め、改めようとする姿勢を示すことになります。この姿勢がメンバーに影響し責任感を高めます。『自分が変われば組織が変わる』という大原則だが、『自分が変わろうとする姿勢が、組織が変わろうとする姿勢を生む』の方が現実に合った表現でしょう。
Open-Meetingでは、メンバー全員が同様に自分のタイプの問題を開示するのですから、最初からぶっちゃけ話ができるのです。自然にオープンなムードが生まれます。
そうなると、メンバーがメンバーを育て、支え合う本来のチームが形成されます。業績達成への問題が明らかになり、誰の何が問題なのかまでオープンになっても、信頼関係は崩れません。
よくあるのは、会議でも普段発言しない人が意見を言い、会議の様子がまるで変わったと言われる方々も多いです。若手を親身に指導、フォローする先輩たちの姿が見られたり、若手がどんどん疑問をぶつけるようになったチームもあります。甘いリーダーが厳しく言うようになったりもしました。
チームは如何に自己防衛心理に邪魔されているか、これらの例からも伺えます。皆が見えていることをオープンすれば、本当に予測できない問題は意外と少ないことも分かります。それに、問題をオープンすることが当たり前の考え方になれば、仕事への厳しさが増します。単になんでも言える関係ではなく、業績への厳しさを包含することになります。
■ 第707号 『髭のひとり言』 〜人は変われる〜
2019.4.11
何事も自分で決めないと気が済まないA課長。グイグイ部下を引っ張る姿はまるで鬼軍曹のようだった。強権的でパワーに溢れ、部下からは怖がられていた。そんなA課長が、研修の終盤になって言った言葉が印象的だった。
「人を動かすのに力はいらない。心があればできる。」、「自分のスタンダードは皆のスタンダードじゃない。」
こう言い放ったA課長の表情は、穏やかさに満ち、もはや鬼軍曹ではなかった。
「人は変われる」私は何度思ったことか。3か月ほど前、その日もA課長の成長した姿に感動を覚えた。人は自分の態度が周りの感情にどう影響しているか、意外と解っていないもの。また、何となく分かっていても、どう変えればいいのか手立てが思いつかないものではないでしょうか。その態度の元が潜在心理にあると認知し、その影響を自覚する。そして態度を変えてみて、周りの反応の変化を目の当たりにする。このステップで確かに影響していたことを実感でき、意識の変化につながる。
A課長の場合はこうだ。
1)エニアグラムによって、自分はタイプ8であり、潜在心理(囚われ)=『欲望』が、強さを示そうとする強権的な態度の根元であることをメタ認知した。
2)このメタ認知した自分のことを部下に話し、囚われで反応しない態度を成長課題にすることも部下に話した。そして、囚われを意識して、心を開いて受け入れるように努力した。
3)すると明らかに部下の行動変化を感じた。会議で意見が増え、自主的に行動しようとする部下が出てきたのだ。A課長にとって生まれて初めての体験だった。愕然と自分を省みることになった。そして部下を動かす意識が変わったのだ。
何度も言いますが『部下は上司の鏡。部下にとって上司は環境。』これを証明しています。部下との関係も深くなって、部下も自分を内省しはじめ、行動を改めようとしたのです。上司が自分の内面的な課題をオープンし、それを改めようとする行為は、部下に大きく影響し、部下も自分の課題に取り組む責任を感じるのです。関係の変化は環境の変化になるということです。
人は環境に影響されますので環境が変わらないと変われない。一方、環境を変えるにはまず自分が変わる必要があるとも言われます。ジレンマです。部下をもつ管理者なら、自分が部下の環境ですから、このジレンマを成長の糧に、まず自分から変わらねば始まりません。
メタ認知→自己開示→囚われを止める→相手の変化を実感→意識変革
この流れは、当社が薦める”相互成長対話”のファーストステップ『心を近づける』を実践することです。忘れてはならないことは、囚われで反応しない意識を持つと自然と素晴らしい資質が発揮されることです。A課長も、意識して出そうとした訳ではないのに、『心を開いて人を受け入れる』という素晴らしい資質を開花させることができてしまったのです。これがエニアグラム理論のすごいところです。囚われを止めると人間性まで豊かになるということです。自分ひとりでこれを体験するのはかなりの努力が必要ですが、相手の協力があれば、相手のために意識するようにすれば、できやすくなります。この意味で、上司にとって部下は自分を成長させてくれる協力者とも言えます。
最近1on1対話が流行っています。確かに対話はMBOの基本、部下育成の基本です。が、メタ認知がないとどうしても我流が出てしまい、心底分かり合える関係にはなり難いものです。心理的な環境の変化までには至らないものです。
上述のステップを踏めば、自己変革(自己成長)まで含めた1on1対話が可能となります。部下育成は自己変革ありき、できる上司は部下のために自分を変えることができる人、ということを実践できるのです。この相互成長対話を真摯に実践すれば、人は変われます。人間的に成長できます。
■ 第707号 『CAPのここが言いたい』 ”エニアグラム・マネジメントのすすめ”
2019.4.11
CAP総研はエニアグラム・マネジメントを提唱します。マネジャーが人間性の幅を広げ、部下育成やオープンな組織づくりを容易にするからです。
近年、管理者の人間性を高める必要性が叫ばれていますが、これは、上司の人間性が部下のエンゲージメントを大きく左右すると分かっているからです。しかし、人間性は性格に依存することが多く、容易には変えられないものであることも確かです。
今号の『髭のひとり言』のA課長のように、『自分で決めないと気が済まない上司』もその一例です。他にも、細かすぎる上司、一方的な上司、ハッキリしない上司、慎重すぎる上司など、上司の性格が部下のやる気を削いでいるケースを上げればきりがないほどです。
管理者の人間性の幅を広げることは、組織にとってどれほど効果的か。解ってはいるが、長い人生経験や年齢を重ねないと無理なのか。しかし現実は30代〜40代の管理者が部下をマネジメントしているのですから、経験論では済まされません。また、必ずしも経験や年齢が人間性を豊かにするとは言い切れないこともあります。
このような意味から、CAP総研はエニアグラム・マネジメントをすすめます。エニアグラムは、「人は誰でも素晴らしい資質も持っている」という原理から成り立っています。これを、可能な限り仕事で発揮できるようにしようと、当社はエニアグラムをビジネスに応用することを使命としてきました。
A課長のように、エニアグラムによって深く自己認識(メタ認知)し、自分の偏り(囚われ)と素晴らしい資質を意識できれば、そして協力者がいれば、潜在的に持っている才能を使えるようになります。思考や視点が偏る理由に気づかせてくれ、柔軟な状況判断や対人関係力を高められます。管理者であれば、部下に、組織に大きく影響することは言うまでもありません。
また、部下と共にエニアグラムを学べば、部下の強み・弱みを的確に把握できるため、適材適所の人員配置、個性に合った育成やコーチングを正しく行えるようになります。エニアグラムを対話やミーティングに応用すれば、心理的安全性を高め信頼関係の構築やオープンな組織づくりに活かせます。
■ 第708号 『髭のひとり言』 〜やっぱり心理プロセスが大事〜
2019.7.27
私自身が人の気持ちを解さないタイプであるからかも知れませんが、やっぱり、マネジメントにおいては人の心理に配慮することが大事だと、つくづく思います。人の内面を分かり合う手段としてエニアグラムを教えているのですが、心理が業績・成果や職務能力向上につながることを理解できない人がおられます。
特にタイプ3・5・7の人は人の気持ちを汲み取りにくく、このタイプのマネジャーにその傾向が見られます。心の健全度が高く、受容性の高い人はそうでもないのですが、ストレス過多(多くのマネジャー)の人にとっては、気持ちより成果に直結する方法を手に入れようとします。成果主義風土の企業では強く現れます。そんなマネジャーの組織では、成果は出せても、損失として連携が乱れたり、相互啓発が出来ませんし、メンタル不調や離職者増加になったり、人材力を停滞させています。
タイプ3は、成功のために人を機能とみなして方法論に走ります。
タイプ5は、論理で人を動かそうとして、評論家的になって意欲を低下させます。
タイプ7は、自制心が持てず、自分の考えを理解しない人をジャマ扱いしてしまいます。
ストレス状態では、この傾向が強く出てしまいます。ジョブマネジメントは出来ても、人材マネジメントができず、組織力を高められないことになり、経営的視点から見れば大損失となります。
『マネジャーの問題の多くは、性格的な強みの濫用にある』という言葉もありますが、この問題が現実に起きているし、本質的な問題でもあります。これをテーブルに乗せる勇気が求められますが、自己防衛心理が働いて自分の苦手をオープンできないのが通常で、水面下で慢性化してしまう問題となります。
エニアグラム心理学は、この内面の心理による悪影響をテーブルに乗せる手助けになります。組織でエニアグラムを学ぶようにするだけで、自然な形で内面の問題を明らかにできるからです。
■ 第708号 『CAPのここが言いたい』 〜CAPの挑戦とは〜
2019.7.27
自己認識力はリーダーが持つべき重要な能力であると言われます。さらに、自己認識するだけに留まらず、自己認識を行動様式の変革に繋げなければ意味がないとも言われます。自分の強み・弱みを知ったとしても、それを改めたり、有効に使えなければ意味がありません。
ところが、人は本能的に自分を変えたくないし、まして自分の弱みを見せたくない自己防衛心理があるために自己認識を深めたとしても、行動変容にまでは至らない難題があります。
例えば、『理解してから理解される』という考え方がありますが、理解しようとしても相手が本心(弱み)を言わなければ理解できません。また、理解できたとしても、自分の心や気持ちを本音で表現できるでしょうか。考えや行動については言えるでしょうが、背景にある心理状態や感情までは、よほど親密な関係にある人でないと簡単には打ち明けないでしょう。言ってしまって対立してしまうケースもよくあります。もちろん、この考え方すら実践できなくて、一方的になったり、相手に言わせない人も多いですから、重要であることに違いはありません。
また、考え方や価値観が分かったとしても、その差が大きかったらどうすればいいのでしょうか。問題が残ります。離れるしかないのでしょうか。世代間ギャップの問題では、上司が強く指導できないで『価値観が違いすぎる』と諦めたり、部下に遠慮してしまうケースも見られます。組織であれば、その影響は育成や仕事の生産性に大きくのしかかってきます。人事異動にまで発展するやっかいな問題となります。
人と人は、本質的には分かり合えないものだと認識することが大切です。
それぞれの考え方や価値観の違いは、世界観から見れば小さなかけらです。それを捨てろとは言いません。小さなかけらに拘る必要もなく、耐える必要もなく、あるべき姿を探し求めて手をつなげばいいのです。このように書いていることすら世界観からすれば小さな断片にすぎないのです。
グーグルが証明した『弱みを見せ合えるチームは効果性が高い』というのが本来の姿ではないでしょうか。さらに言えば、考え方や価値観が違っていても協働できる姿がエンゲージメントの高いチームといえるのではないでしょうか。
これに応えるのがCAPの挑戦です。そしてビジネス・エニアグラム・ツール群です。まだまだ道半ばですが、多くの組織で実証いただいております。
■ 第709号 『髭のひとり言』 〜潜在力を発揮させる部下育成法〜
2020.9.19
人は誰でも潜在的な才能を持っていますし、自分が気づかない内にそれを使っています。エニアグラムを学べば、このことが解ります。例えば、タイプ5の人は、「思いやりで人をリードできる」という素晴らしい才能を持っているのに、「溜め込み」という囚われで反応して行動してしまうために、気持ちを使わないで思考の世界から対応してしまっています。でも、ある瞬間、例えば何かで迷っているような人がいたとき、思わず優しく教えてあげたくなるのがその証です。それを普段の人間関係の中でも使えるようになれば、ビジネス場面や組織の中でスムーズにコミュニケーションができるようになります。
ある企業の管理職研修で実際にあったことですが、リーダーがタイプ5であり、思考の世界で対人する傾向から気持ちが繋がらず、苦虫を噛んだような顔つきで画面に向かう姿に部下たちは近寄り難く感じ、コミュニケーションが不活性だったのですが、このタイプ5のリーダーが「皆をハッピーにしたい」と一人ひとりに言い始め、「じゃーハッピーになるにはどうしようか」という話が盛り上がって、とても風通しの良い、気楽に話せる職場に変わって行ったという例があります。
研修の個人面談で、私はこのリーダーに「あなたの思いは何ですか」と何度も問いかけました。その時、思いがけない質問に戸惑っている様子で、しばらく下を向いて考えていましたが、「皆をハッピーにしたいです」と、静かに答えられた姿を鮮明に覚えています。
こ れは、思考の世界で生きていて、気持ちを解せないと言われるタイプ5の内面にも「思いやりで人をリードできる」という潜在力があることをエニアグラムが解明しており、それを私が刺激して目覚めさせただけです。このように、部下の潜在的な才能を知っていれば、その部下の可能性を広げる方向に育成できるのです。9つのタイプ毎に掴んでいれば良いのです。一見、何を考えているのか分からない主張力の弱い部下、自分のパフォーマンスをアピールし過ぎて嫌われる部下などにも、その正反対の良さが眠っているのです。外見だけで人を判断するのは止めましょう。2000年の歴史があるエニアグラムの知恵を活かそうではありませんか。
■ 第709号 『CAPのここが言いたい』 〜トップ自らオープンになろう〜
2020.9.19
「部下に任せていては成果が上がらないし、トラブルも増えてしまうので任せられない」という管理職が多く見受けられます。「任せて育てる必要は分かっているが、それでは大きな数値目標を達成できないし、自分の評価にもならないので、具体的な指示で下の者を動かさざるを得ないのだ」と言う人も多いです。また、任せるようにはしているが、トラブルが起きないように厳しく監視したり、厳格な管理ルールを設けている組織も見られます。
いづれにしろ、これでは短期の業績は確保できても、数年も経つうちに指示待ち社員が増え、監視と管理の厳しさに気持ちが萎縮するようになってチャレンジしなくなり、現状維持で満足する気運が生まれて、沈滞ムードの組織になってしまいます。離職者が増えて人材の空洞化が進み、参画意識も薄れ、安全志向に走り、エンゲージメントどころの話ではなくなってしまいます。部長が課長の仕事をし、課長が一般メンバーの仕事をするようになり、近視眼的な課題しか見えなくなり、小手先の方策に駆けずり回ることになって悪循環に陥ってしまいます。これでは、VUCAの不確実な時代に生きていけなくなくのも必定です。
この問題は組織トップが招いた組織マネジメント、人材マネジメントの失策です。見えない内に組織内部にカビが生えて、多少の清掃では取り除けない厄介な根深い問題となってしまいます。業績ばかりに目が行って、人の心に目が届かない大きな誤りです。今風に言えば、心理的安全性に欠けた惰性的な組織でしょう。
トップは成果を出し続けられる組織を作れないなら失格です。業績は人の意欲と能力の掛け算で生まれます。能力が低ければ、意欲を高め、能力を高めようとする動きを促すことです。意欲は方針やビジョン、心理的な環境に左右されます。ですから、すべての施策の中に、やる気になる配慮と心理的環境を良くする配慮を含めるようにすべきです。問題解決や課題達成施策の中に、意欲や心理を考慮したものを組み込むべきです。そのほとんどは、インフォーマルなコミュニケーションや人間関係(特に上下の関係)を良くすることでカバーできます。
そして、最も大切なことは、トップ自らがこの失策を認め、オープンし、協力をお願いすることです。皆の力を結集して、文殊の知恵を出し合って、一緒に励まし合って行くことで乗り越えるようにすべきです。
組織のメンバーは知っています。トップのマネジメントがおかしいと知っています。故に、まずはトップ自らオープンする見本を示さねば、「やって見せ、言って聞かせてやらせてみて・・・」になりません。トップ自ら弱みを開示し、自分を変えることに挑戦する手本となれば、部下も自分の不足を改善しようとするようになり、弱みを補完し合う組織が回り始めます。
■ 第711号 『髭のひとり言』 〜エニアグラムはピープルマネジメントを効果的にする〜
2022.12.17
ピープルマネジメントは、『メンバーと向き合い、一人ひとりの成功にコミットすることで組織の成長を最大化するマネジメントである。マネージャーはメンバーと頻繁に対話しながら、メンバーのエンゲージメントやモチベーションが高まるようにサポートすることでメンバーの可能性を引き出す。』と定義されています。米国では20年以上前から浸透している考え方で、1on1ミーティングが盛んに行われるようになった元になっています。
日本でも近年は1on1ミーティングを実施している企業も多いですが、まだまだ問題が残っていうようです。
1)上司の負荷が大きい。
2)コーチングのつもりがティーチングになってしまう。
3)部下の価値観の多様化で溝が埋まらず関係が平行線になる。
4)マンネリ化している。
などなどが代表的な課題ではないでしょうか。
そこでお勧めするのがエニアグラム対話です。弊社では相互成長対話と呼んでいます。ご存じのように、エニアグラムは9つのタイプに性格分類しますが、それはエニアグラム全体の一部にすぎず、人間の潜在心理を解明し、人間的な成長の方向まで示唆してくれるすごい心理学なのです。ストレス時の傾向も解明されています。詳しく知りたい方は是非オンラインセミナーにご参加ください。
エニアグラム対話は互いの潜在心理を理解し合う対話ですので、性格や行動パターン、強み弱みの元を知り合うことになります。すると自然に弱みを開示することになりますので感情的信頼が生まれるのです。
例えば、タイプ7の上司だとしたら、「私は”どん欲”という囚われ(潜在心理)をもっているから、相手が話している途中でも思いついたことを話したくなってしまうし、また、”苦しみを避ける”という囚われのために、部下の悩みやネガティブな問題の話になるとポジティブな話にすり替えてしまいます。だから問題の本質を深められないことになってしまいます。」というように発言し、弱みを自然に開示できます。通常の対話では、上司は自分の弱みを話すことに抵抗を感じるものですが、エニアグラムのタイプの心理を説明するだけで、自然に自分の弱みを話すことになるのです。
部下からすれば、上司が弱みを言ってくれるのは自分を信頼しているからだと思えるようになって自分も成長課題を話しやすくなります。上司としても、部下の内面を理解しやすくなりますので、行動レベルのアドバイスに留まらず、情緒的なフィードバックができ、心理的なケアができるようになります。親密な関係が深まりますから心理的に安全な関係が生まれ、エンゲージメントの高まりが期待できます。
さらには、上司がチーティング的になってしまった場合でも、部下から指摘しやすくなりますので、両者が協働して有益な1on1ミーティングをつくり出していけるようになります。この協働感がマンネリを防ぎ、対話を続ける意欲の源泉となります。同時に、人間的な話、性格や心理の話は何度やっても尽きることなく、飽きずに続けられますからマンネリを感じないのです。
また、ピープルマネジメントでは頻繁に(最低1〜2週間に1度)対話するのが基本ですので、上司の負荷が増えそうですが、最初の2〜3回は長めの時間を必要としますが、上述のように互いの内面や性格特性までも分かり合いますから、感情的信頼、心理的に安全な関係ができ、短い時間(5分から15分程度)でストレートなやりとりができるようになり、対話の生産性も高まります。昔から言われる”阿吽の呼吸”ができるようになるのです。
ピープルマネジメントでは上司、部下双方向の要望とフィードバックが重要です。エニアグラムをピープルマネジメントに活用すると効果的な1on1ミーティングができることをお分かりいただけましたでしょうか。是非、エニアグラム対話をやってみようではありませんか。
■ 第713号 『髭のひとり言』 〜エニアグラムは人材育成の万能薬〜
2024.3.25
エニアグラムを学ぶと多くの効用があります。
新しく管理職になった人が自分の至らない所を直して早く管理職らしくなったりします。
また、1on1ミーティングが本来の育成目的を忘れてタスク管理になってしまうのを防ぐことができ、部下が主体的に行動するようになったりします。
その他、心理的安全性が高まり本音が飛び交うオープンな会議に変わったり、若手の気持ちを掴んだ育成ができて離職率が減ったりと、その効用はまるで人材育成の万能薬のようです。
では、どうして様々な効用があるのでしょうか。
それは、エニアグラムが人の無意識の欲求(内面心理)を解き明かしているからです。
人の行動傾向(感情・思考・行動の偏り)は、この無意識の欲求に自動反応しています。
その心理的な理由や成長するためのアクション方法など、9つの性格タイプごとに詳しく教えてくれますので自分の問題に早く気づけ、何をどう変えれば成長できるのかが分かるのです。
職務能力が高いから管理職に選ばれますが、対人能力は人間的な要素が大きく容易には変わりません。
数年も試行錯誤している間に部下がやる気を失ったり、成長が遅れたりしては組織の大きな損失です。
少なくとも1年以内には部下のモチベーションを上げ、部下をうまく動かして成果を高められるように成長すべきでしょう。
プレイング・マネジャーが多い現代ではとても難しい管理者育成問題ですが、エニアグラムは人間的な成長課題に早く気づかせてくれますから短期間で成長を早められます。
また、上司と部下が一緒にエニアグラムを学び、無意識の欲求(内面心理)を理解し合えたとしたら、どんなことが起きるでしょうか。
一例を紹介しましょう。
上司:「私はどうしても先に行きたい心理のために、部下の話を横取りしてしまう傾向があります。」
部下:「私は波風を立てたくない心理のために、意見を控えてしまう傾向があります。」
という対話ができるようになります。
自然に自分の弱みを開示できますから、自然に心理的安全な関係ができると思いませんか。
通常、上司から弱みを開示するのは抵抗がありますが、これができますから部下が返報して自分を開いてくれるようになるのです。
双方向のフィードバックができるようになりますから互いに刺激し合って成長を早めることが可能になるのです。
『人は関係の中で生かされ成長する』という言葉がありますが、正にそのことを促進することになります。
(通常はこれほどの感情的信頼関係ではないため、成長への関係(環境)要因が弱く成長が鈍化している。)
何よりも重要なことは、心理的安全な関係づくりの過程が両者を成長させることにあります。
上司が自分の弱みを開示して改めようとする姿勢を示し、それに応えて部下が自律しようとする姿を見せてくれるのですから、上司としては大きな喜びとなり育成への自信と確信(自己効力感)を持てるようになります。
部下の特性や成長方向が分かって自分のやり方接し方の具体的な方法を掴めますから、より自分を高める意識を継続しようとします。
部下にとっても上司との信頼関係が深まり、こんな上司になりたいというロールモデルに恵まれ、自律と成長の意欲が喚起されます。
若い部下なら、意見が言える働きやすい職場であり、同時に成長への刺激ももらえる環境となって長く働きたくなります。
心理的安全性はゆるい職場をつくることではありません。
互いに刺激し合って成長できるキャリア安全性も同時に実現するから離職率を低減できるのです。
短期業績は職務能力に依存しますが、長期に業績を上げ続けるための育成や組織づくりにはリーダーシップの発揮が必要です。
(育成や組織づくりをマネジメント的にやりすぎるとストレスが多く育成環境としてはマイナスとなる。)
そのリーダーシップには心を一つにするコミュニケーションが求められます。
エニアグラムを共有すれば、互いの心(内面)を容易に解りやすくなります。
これを両者が体験的に学ぶことになりますから、上司がリーダーシップを身に付け、同時に次期リーダーが育ちやすい環境が整うということです。
このような関係を弊社では、互いに刺激し合って共に成長する関係『相互成長関係』と呼びます。
この関係をつくる対話を『相互成長対話』(通称ぶっちゃけトーク)と呼びます。
その基本原則は『@心を近づける、A目的を共有する、B互いに与え合う』です。
オンライン時代でも、1on1対話が実りあるものに変わっていきます。
年齢性別に関係なく個性に合った育成がやり易くなります。
互いの違いの原点を理解し合えることは新しい視点が得られ、創造的な関係が生まれます。
会議に応用すれば何でも言える一体感が生まれ、自律と協働のチーム基盤が早くつくれます。
感情的信頼がピープルマネジメントを充実させ、エンゲージメントの高まりも期待できます。
継続すれば人的資本経営を進め、働きやすい職場、成長できる職場の実現に繋がります。
いかがでしょうか。
『エニアグラムは人材育成の万能薬』ということをお分かりいただけましたでしょうか。
今回ご案内する[2]『エニアグラム実践講座』は、以上のことを学び、実践し、個別にアドバイスをもらえる本格的な自己開発研修です。是非ご参加をご検討ください。
また、[3]『研修担当管理者向け無料セミナー』は、エニアグラムを軸として、効果的な研修プログラムを設計するポイントをお伝えします。従来にない研修の在り方が分かりますのでご期待ください。
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